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"蔵シック"須坂
長野駅から二つ目の駅須坂は、今も豪壮な土蔵作りの旧製糸家建物や繁盛した大壁作りの商家などの町並みが残されている。駅をおり、国道406号線方面へと向かい、国道にでたらすぐ右折。そこに、『町並み案内処』がある。街のことなどの情報はここで入手することができる。この先に豪商の館と、小京都を思わせる小径があるというのでさっそく行くことにした。道路はさほど広くなく、昔の街道そのままのように見える。そんな町並みに親近感を感じながら、初夏の日差しをあびて少し額に汗をかきながら、ゆっくりと町並み見物である。
田中本家博物館はそんなこぢんまりとした町中に大きなお屋敷を構えていた。江戸時代は須坂藩をしのぐ財力を持つ北信濃随一の豪商だったと言う屋敷は、南北四十間(約72b)、東西五十間(約90b)と言う規模だ。そんな田中家の蔵の中に眠っていた品々が展示されている。
安土桃山時代の屏風、江戸時代の陶器や婚礼衣装、大正時代のブリキのおもちゃなど、その当時の生活を支えるものを見ることができる。特にこのおもちゃの数々はコミカルで大正ロマンただようものだ。『のんきなとうさん』は特に笑える。
表へ出た、相変わらず空は青々と抜け、時折心地よい風が頬をなでる。すぐとなりにある普願寺の周りは、小京都のたたずまいを残すシックな空間。真っ白な土壁の塀が続く石畳の道をのんびりと散歩しよう。

●豪商の館
100b四方を土蔵が取り囲む規模のは圧巻。館内は整備されきれいになっているが、土蔵は歴史的な面影をそのまま残している。
●須坂市の"小京都"
本当に小さな小京都。漆喰の壁の白さがまばゆい石畳の小径は、快い散歩道だ。
●長野電鉄河東線
信越本線、長野駅を拠点に湯田中、屋代など総延長70.5Km。長野県内では唯一、廃止区間をだしていない私鉄。「小布施」駅に「ながでん電車の広場」があり、昔、ながでんを走っていた機関車、電車が展示してある。
2両編成のこぢんまりとした列車が、初夏の風を受けて、のんびりと田園風景の中を走り抜けていった。

●田中総本家博物館
江戸時代中期に創業し、須坂藩の御用達をつとめた北信随一の豪商。屋敷の一部を展示館として改装し、家伝の書画、陶器、漆器、衣装、玩具などの貴重な所蔵品が展示されている。中でもブリキのおもちゃはノスタルジックなおもしろさがあり、おすすめだ。
●お土産屋さんがたち並ぶ参道
門前町として栄えた歴史の面影を残す参道の両側には、所狭しとお土産やさんが並ぶ。初夏の日差しをあびた石畳がまぶしく見えた。