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●白鮭、紅鮭
これほど多くの鮭を見るのは初めてだ。とにかく圧倒された。足の踏み場もないほどぎっしりとおろされていた鮭は次々と箱詰めされトラックに乗せられていく。多くが新巻にされると言う。
●釧路水産センター、セリ風景
競り自体はものの十五分ほどで終わった。欲しいところで「ハッ」と大声を上げる。一番に声をあげた人に権利がある。真剣そのもの。何を言っているのか分からないが、あっという間に決まって行く。いきなり皆が会場を出ていった。それを見て「あー終わったんだな」と気が付く始末だ。

●脂の乗ったときしらず(和商市場)

7月半ば頃まで釧路沖でとれる"トキシラズ"これを食べずして鮭を語るなかれ、と言いたくなるほどのうまさ。脂ののりぐらいは最高で、是非塩をふる前の生のものを焼いて食べたい。

●ずらっと並んだかにの数々(和商市場)

市民の台所「和商」と呼ばれて広く親しまれている釧路和商協同組合は、昭和29年に結成された釧路で最も歴史ある市場だ。「買ってきな、まけとくよ」笑顔が弾ける気さくな対面販売はこの市場の持ち味で、試食を勧められるままぱくり。花咲がにの濃厚の味わいは、もうこらえられない。
●お好きなものをトッピング(和商市場)
もう見ているだけでもよだれが出そうな、超新鮮な海鮮丼。市場内でご飯を買い、予算に合わせてトッピングを購入。口の中でとろけてしまうその味わいは空前絶後。
●"具"選びは真剣そのもの(和商市場)
これを楽しみに釧路に来たという若者たち。好きな刺身を思いっきりてんこ盛りにしてもらって、ご満悦。

 市民の台所「和商」と呼ばれて広く親しまれている釧路和商協同組合は、昭和29年に結成された釧路で最も歴史ある市場だ。「わっしょい、わっしょい」という活気あふれる掛け声と、「和して商う」ことから名付けられたこの市場は、函館の朝市、小樽の三角市場、札幌の二条市場などとならぶ北海道を代表する市場である。
 鮮魚をはじめカニ、塩干(えんかん)、青果、花、薬、そば、珍味、菓子、漬物、食品、精肉、茶、雑貨、寿司など各部門に別れた百店舗近くが店を並べている。「買ってきな、まけとくよ」笑顔が弾ける気さくな対面販売はこの市場の持ち味だ。
この時期の目玉はなんと言っても、『トキシラズ』というシラザケで、5月から7月上旬にかけて釧路沖や日高沖を回遊する若い鮭をいい定置網にかかる。時季はずれに捕れるのでこのように呼ばれているようだが、肉質が柔らかく,脂がのっていて、これほど鮭に味があったのかと驚かされるほどおいしい。七月も上旬であれば生のままいただくことができる。近くの炉端焼きに駆け込むのも手だ。
 炉端焼きと言えば、釧路が発祥の地。この時期やはり最後のカキ焼きを食べることができる。厚岸産のカキを半生焼きでレモンをかけてあっさりといただく。自然の塩味とともにクリーミーな味わいはこたえられない。
もう一つのお奨めは『花咲がに』。根室地方の近海で獲れ、花咲港に大量に水揚げされるのでこの名前がついたという。生かには緑がかった黄土色だが、茹でると真っ赤(花が咲いた様)になる。味はとても濃厚で、何も付けずに、塩ゆでされたものを食べる。好みもあるが、他のかにでは満足できなくなるうまさだ。まだ、七月だと入荷量も少ないが、小ぶりでも、ずっしりと重いものを購入しよう。さもないと中身がスッカラカンというものもあるようだ。
 最後のお奨めは『海鮮丼』。市場内でご飯だけを買うことができ、そこに思い思いの海の幸をトッピングするわけだ。予算を言えば適当に選んでもくれる。苦手なものがあったら先に言っておこう。醤油漬けされたイクラのぴちぴちとした歯触りとこく、ウニの甘さは北海道ならではの感動もの。市場内のベンチで食べるのが旅の思い出を深くしてくれると言うもの。ワイルドに食べてみよう。